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記事紹介:ドイツのTerf シュヴァルツァーへの批判

一部のフェミニストトランスジェンダーの人々に差別的な態度をとるという風潮がアメリカでも日本でもある。ドイツにもあり、そのひとつを紹介する。

アリス・シュヴァルツァーはドイツのもっとも有名なフェミニストで雑誌Emmaの創始者である。彼女はイスラム系移民に対する批判でも知られ、人種差別的だと批判を受けている。

 

Emma-Fail: Alice Schwarzer trans*feindlich « gnurpsnewoel.

31. Juli 2014
 in Gender & LGBATTIQ* & Feminismus und Fragen & Antworten

http://gnurpsnewoel.blogsport.de/2014/07/31/emma-fail-alice-schwarzer-transfeindlich/

 

 

 

『Emma』誌の誤り: トランス敵視なアリス・シュヴァルツァー

助言を乞われても何を言うべきかさっぱりわからないという人は何をするだろうか。そう、それを正直に認めるのだ。あるいは助言ができる立場の人のところに行くように言う。アリス・シュヴァルツァーはそうしなかった。

 

 

シュヴァルツァーは雑誌Emmaの彼女のコラム「アリスに聞く」の中で、施設指導員のBengtaから、トランスの若者をどう扱えばいいかを質問された。シュヴァルツァーはそれに基づいて相談コラムで安易にトランス敵視の言い回しをする様子を見せた。彼女はその言い回しをほとんどすべてなぞり、文を混ぜ合わせ、Emmaに書いて出版した。ここにシュヴァルツァーの長話のサンプルを並べるとこうだ。

 

  • 「偽の皮をかぶって」「生物学的な女性」「転換手術をする」「性役割を切り替える」「自由に選択できる」「心の葛藤」「身体を切り刻む」「女の子なのか疑わしい人」「役割からの脱却」「早まってホルモン摂取や手術施行をしないように」「フラッパー」「カテゴリーに凝り固まった思想」


トランス敵視は、「言語による攻撃や、性的アイデンティティの疑問視や否認、(…)精神病理化、(…)存在しないものとするような表現、(…)異物化」の形で現れるとベルリンの人権団体TransInterQueerは定義している。シュヴァルツァーはすべてに該当する。Bengtaの施設にいる若者には申し訳ない。なので依然として、指導員のBengtaがEmmaの他にも情報源をもっていることが望まれる。彼女はその若者と施設からトランス専門の相談センターに行くかもしれない。情報はたとえばポータルサイトの meingeschlecht.de でも見つかる。そこならシュヴァルツァーとは違う適切な相談もできる。

 

 

アリス・シュヴァルツァーらは、ジュディス・バトラーなどのポストモダン的なフェミニストを批判している。そういった議論の中で「ジェンダリズム」(「ジェンダー主義」)という言葉が使われる。これはトランス排除にも関係する用語である。ここで↓紹介しているようなバトラー批判が反ジェンダリズムに当たる。これが「性差を相対化しすぎて女性の権利主張もできなくなっている」というのが主旨だ。

http://ottimomusita.hatenablog.com/entry/2018/02/16/193859

 

トランスジェンダリズム」という言葉は英語圏、日本語圏でも見かけると思う。この「ジェンダリズム」も反トランスの用語であり、似ているが、もう少し広い。ジェンダー平等を目指す政治的な動きも批判の対象に含まれていて、保守派の政治活動と一部結びついているらしい。ここまでくるとTERFといってももはやフェミニズムですらない。ここ↓で紹介している論文が詳しい。

http://ottimomusita.hatenablog.com/entry/2019/02/01/191718

 

その論文にも書かれているが、このジェンダー主義というレッテルはイスラム系の移民排除の言説の中でよく使われる。「イスラム教の女性差別には甘いのに、西欧のジェンダー平等には厳しい。これはおかしい」という具合に。