if( localStorage['ga_exclude']!='1'){

記事紹介: 緑の党内部でのスカーフへの態度の違い

少し昔の記事になるが前に上げようとして忘れていたものを紹介する。2018年の記事で、緑の党フェミニスト内部でイスラム教徒に対する態度に関して論争があった。このときはまだ緑の党が連立で政権とるとは分かっていなかった。

 

Grüne streiten über Feminismus: Sorge um Sternchen und Kopftuch - taz.de

 

主に第3波や若い世代のフェミニストは文化や宗教の違いに配慮したフェミニズムを支持するが、第2波や上の世代はそれを宗教に基づく女性の抑圧の肯定だと懸念する。こういう対立が緑の党にもあるようで、党の女性会議というイベントに抗議の手紙が来たそうだ。

イベントはイスラム教徒の有名ブロガーを招待したインターセクショナルなもので、抗議はどちらかと言えば反イスラム的だった。

この時点では前者の若い世代の方が党内で多数派に見える。2020年の緑の党綱領でも宗教的な自己決定権が謳われている。

抗議していた人たちが十分に納得したのかについては、ぼくがググって見ている限りではよく分からない。

 

PATRICIA HECHT

Grüne streiten über Feminismus

:Sorge um Sternchen und Kopftuch

 

緑の党フェミニズムについて論争している。:ジェンダーアスタリスクとスカーフの懸念

緑の党の女性会議でインターセクショナリティと宗教が問題になった。

第2波の活動家女性たちは若い世代を「幼稚」だと考えている。

 

Gesine Agenaは、女性はこの時代もっと互いに連帯しなければいけないと思っている。


緑の党とそのシンパのフェミニストのあいだで世代間論争が勃発している。週末にあった緑の党連邦女性会議に際し、第二波女性運動の代表者として、主にバーデン・ヴュルテンベルク州緑の党地区連盟から20人のメンバーが若い世代のインターセクショナルなフェミニズムに反論した。


論争の発端は地区連盟メンバーが緑の党の連邦指導部に宛てて書いた公開書簡で、雑誌のEmmaがそれを木曜日にオンラインに上げた。それがライプツィヒでの緑の党女性部のフェミニズム未来会議が始まる一日前だった。その手紙には、招待された論客を見ればこの会議では「もはやフェミニズムが重要とされていない」ことが明らかだと書かれている。フェミニズムの「文化に関する非排他的な考え方」は、「伝統的で宗教的な強制を女性の文化として称揚し、抑圧連帯している」とした。


この会議の演説者名簿はさながら若いフェミニスト界隈の有名人名鑑であり、女性ラッパーのSookeeが登壇し、ブロガーのAnne WizorekとKübra Gümüşayが招待され、Missyの編集者Steffi Lohausと作家のMithu Sanyalもいた。フェミニズムと宗教のようなインターセクショナルなフェミニズムについてのワークショップがあった。この女性会議はウェブサイトによると、「新しい緑の党の基礎綱領へ至るための一里塚」となるべきものだ。


長年女性運動をしている活動家は批判として金曜日にもう一度付け加えた。緑の党のメンバーではないがかつてベルリンの議会でリストに名前があったHalina Bendkowskiと、女性研究に重点を置くギーセンの政治学者のBarbara Holland-Cunzだ。緑の党は「フェミニズムにおいて脱政治化」されているとBendkowskiはメールに書いて、党や会派の女性政策広報や連邦指導部や、まったく異なるフェミニズム上の立場にある数十人の女性に送った。その中にはEmma編集者のアリス・シュヴァルツァーや、社会学者のザビーネ・ハーク、ドイツ経済研究所のElke Holstがいた。


Bendkowskiは「女性運動の第3波と第4波」やその「アスタリスクフェミニズム」は「幼稚」だと批判した。彼女は「他の文化や宗教」が女性運動の批判を免れることがフェミニズム的かどうかを問うた。Bendkowskiは緑の党に、自分たちがどのようなフェミニズムの理解に立つべきかを明確にすることを求めた。


緑の党の女性政策広報Gesine Agenaはそれについては非常に明確だ。「AfDが力を増し、その中で右翼が女性の権利を自分たちのためだけのものにしようとしている時代には、緑の党の政策はインターセクショナルで連帯的で反人種差別的でなければならない」とAgenaはtazに述べた。「私たちは、さまざまな差別を認識し、スカーフをする女性が攻撃されるなら連帯するようなフェミニズムを必要としている。私たちのフェミニズムと女性政策はすべての多様な生き方の中で女性の自己決定を支持する」

 


そのことは250人以上が参加したこの女性会議にも反映されているとAgenaは言う。そこではさまざまな世代の緑の党の女性が出会い、雰囲気は「エネルギッシュでエンパワーメントされるもの」だったという。しかしこの手紙の署名者は、彼女が知る限り一人しか来なかったという。Agenaはそれを残念に思っている。女性会議ではそのような基本的な問いについても会談がなされたという。女性会議では会則に従って決議は採られなかった。当然手紙の署名者にはまだ回答する。


Heinrich-Böll財団のフェミニズムと性差民主主義のためのGunda-Werner研究所の所長Ines Kappertもtazに、女性会議ではよい議論がなされたが、どんな種類の争いもなかったと話した。彼女がその批判で問題だと思うのは、手紙を書いた人たちがすでにフェミニズムについての公開討論が尽くされていると見なしていることだという。彼女らの考え方は、「『フェミニズムの何たるかは私たちが決める。他の誰でもなく』というもので、これは思想と議論に禁止令を敷くことになる」


メールが怒りに満ちた書き方なのは、この女性たちの中には「フェミニストとしての生涯キャリア」に疑問をもたれていると思う人がいるからかもしれない。「しかし重要なのは過去の世代の業績を否定することではなく、ともにフェミニズムを発展させることだ」とKappertは述べた。

 

インターセクショナリティは抽象的なお題目ではなく、色んな要因が絡んでいる問題は当事者の個々の状況から出発して考えないといけないという態度だ。宗教的な伝統が女性を抑圧しているケースも当然あるしそれについても考える術がないといけない。Kappertが言っているように、過去の女性運動の戦いを否定するわけではない。

緑の党の2020年綱領は女性に関することと宗教・人種に関することが項目を分けて書いてあるようで、ざっと見ただけではジェンダーと宗教の交差性について書いてある箇所は見つけられなかった。もう少し読み込んで見ようと思う。