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記事紹介:「これでおしまい!」と叫ぶシュヴァルツァー

Twitterで3日くらい前に"Alice Schwarzer"がトレンド入りしてたので、何かと思い検索すると、2019年11月26日の記事が見つかった。

オーストリアの大学でアリス・シュヴァルツァーが講演するのに対し、反レイシズムの立場から学生が抗議をしたが、けっきょく開催された。

それについて意見を書き込む人が多いのでトレンドに入ったというだけのようだ。この記事のページにもTwitterにもたくさんコメントがあるが、ちょっと見たかぎりあまり読むほどのものはない。この記事がすこし両論併記的なので意見したい人たちを刺激したのだろう。記事はいちおう訳しておく。

 

Österreich: „Jetzt ist Schluss!“, rief Alice Schwarzer Feministinnen zu - WELT

https://www.welt.de/politik/deutschland/article203825908/Oesterreich-Jetzt-ist-Schluss-rief-Alice-Schwarzer-Feministinnen-zu.html

「これでおしまい!」とアリス・シュヴァルツァーは叫んだ。

 

 

(アリス・シュヴァルツァーはもっとも有名なドイツの女性運動の代表者である。この76歳の女性は1977年に自身が創立した女性雑誌Emmaの発行者で編集長だ。作家やコラムニストとしても分極している。)
 

アリス・シュヴァルツァーはオーストリア単科大学で講演をしたという。何人かの女学生は、シュヴァルツァーが政治的イスラムを批判しているという理由でこれを阻止しようとした。にもかかわらず彼女は登壇した。そして騒動になった。

オーストリアで、応用技術の単科大学女学生会(Hufak)は『Emma』の発行者のアリス・シュヴァルツァーの登壇に反対した。この76歳の女性はドイツのもっとも有名なフェミニストで政治的イスラムの批判者として知られる。したがって応用学の学生代表にとっては、このジャーナリストが「フェミニズムを口実にした反ムスリムレイシズム」を広めていることは確実だった。

Facebookでの態度表明は、「差別のない討議を指示する学生代表として、Hufakは差別のない大学文化とすべての人が安心でき連帯し尊敬しあえる環境のために力を尽くします」と続く。シュヴァルツァーのやり方は時代遅れ受け入れがたいとし、「彼女の反ムスリム的な論評の事件はますます増えている」と書いた。

シュヴァルツァー自身はちょうど技術単科大学にいて、抗議に驚いた。しかしこの現象は拡大していると、ウィーンの週刊誌『Falter』のドイツ人ジャーナリストは言う。「ベルリンでも、パリ、ロンドン、ニューヨークでも、いわゆる『政治的正しさ』の枠内で活動していない私のような思想家たちは近ごろは『女学生』にではなく狂信的なマイノリティーに大声で妨害されます」

彼らにとって月曜の夜の登壇に対する抗議は「言論や思想の自由への攻撃」であり、その背後には政治的な戦略があるという。「このイデオロギーの信奉者たちは計画的に政治的イスラムへの批判をイスラム教への批判といっしょにする」しかしイスラム教は信仰の問題で個人の事柄だという。「たとえば私は今まで一度もイスラム教に意見したことはなく、政治化されたイスラムにだけ述べている。それは右派イデオロギーだ」

この態度表明のコメントのなかでシュヴァルツァーは支持を得ていて、あるユーザーは「君たちが、別の立場を代表するような、シュヴァルツァーに負けずにやり返せるような他の講演の場を要求するか、お膳立てすることに時間と労力を使えば、私としてはそっちの方がかっこいいと思う」とわめいている。
 

 

「論拠のある論争」を望むこと

 

また抗議を理解しない人もいる。「それなら、イベントに行って論拠のある論争をしてそれを彼女に言えばいい。大学にそういう安全な場所になることを求めるんじゃなくてね。大学は対立する意見の議論のための場だよ」と投稿にある。

日刊紙『Standard』の対談のなかで2人のオーストリア単科大学学生会(ÖH)の役員が反論している。シュヴァルツァーは何度も「セックスワーカー敵視、トランスジェンダー嫌悪、反ムスリムレイシズムの意見を述べている」という。差別については「見過ごしてはいけない。これらの闘いは互いに切り離すことができない」としている。

大学はまさに対立する立場の意見を交わすところではないのかという問いについてはこうある。「大学は他の立場も招かれるならばそういう場所であり得る」アリス・シュヴァルツァーはもっとも有名なフェミニストで」「フェミニズムの討議のなかでとても重要な人物だが、彼女の活動以来私たちの社会で、またフェミニズムでも多くの影響が生じている。ありがたいことだ。私たちはより包括的でインターセクショナルなフェミニズムの議論を望んでいる。まさに大学の討議のなかでまでこれを見過ごしたくはない」

他にも多くのフェミニストがいるが、いつもシュヴァルツァーに代表される立場しか招かれないという。「またもやひとり白人女性がこれについて何か述べるというのはあってはならない」フェミニズムの歴史は白人のものだけではないという。「私たちはより多くの声がいられる舞台を望んでいる」とÖHの代表は言った。ただし彼らはまた、「何らかの意見を禁止すること」が重要なわけではないとしている。

 

 

「シュヴァルツァーは考えを表明するだろう」と校長は言った

 

単科大学校長のGerald Bastは抗議に驚きを表した。もともと応用学の単科大学学生会はそのドイツのフェミニストとのイベントを取り止めることを要求していたが、これは彼にとっては問題にならないという。彼の返答は『Standard』によると、「大学は取り止めをしない。それは私たちには合わない。アリス・シュヴァルツァーはこの非難を積極的に取り上げ、考えを表明し、議論に向き合うだろう」

そして事態はそのように進んだ。キャンペーンの勢力に関するじっさいの会談の初めにシュヴァルツァーはÖH代表の表明した非難への声明で反応した。『Standard』が報じるように、彼女はとくに彼女の創刊した雑誌『Emma』と「政治的イスラムの十字軍」との長い戦いを説明した。

 

「これでおしまい」と舞台で叫ぶシュヴァルツァー

 

しかし「イスラム嫌悪は私にはかなり奇妙だ」という発言のさいには、即座に嘲るような高笑いが最後列から前まで押し寄せた。そこから数分間にわたり叫ぶような大声での反対論が起こった。『Standard』はさらに、その場の大多数が絶え間ない「これは反ムスリムレイシズムだ」というやじに苛立たされたと伝えている。
シュヴァルツァーはあるとき、「これでおしまいです!」と叫び、10人ほどがホールを去ると、最後のメッセージを残ろうとする人々に向け、「ここにこういうふうに連帯できない集団がいますね」と言った。

 

 

 

 

 

これだけ短い文だとしかたないけど、抗議してる人たちの主張を単純化しすぎていると思う。理想主義的なポリコレっていうステレオタイプをなぞるだけにとどまっている。右派の言説がヨーロッパのムスリムへの敵意を煽っていることや、それにシュヴァルツァーが加担していることに触れないと。