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2019-01-01から1年間の記事一覧

年の瀬と、二つの魔法のこと

世界には二種類の魔法がある。仕組みがわかっても解けないものと、仕組みがわかると解けるものだ。酒は第一の魔法で、サンタクロースは第二の魔法だ。 酒に酔う、その生理学的な仕組みがわかっても、酩酊の魔法は解けない。 いっぽうで、「サンタクロースは…

記事紹介: 移民と労働市場

移民と労働市場に関するわりと最近の記事。 https://m.tagesspiegel.de/politik/studie-zu-migranten-am-arbeitsmarkt-politik-macht-fluechtlingen-das-arbeiten-schwer/24466174.html?utm_referrer=https%3A%2F%2Fwww.google.com%2F 要点は、 難民の3分の…

記事紹介: ドイツのイスラム教徒フェミニスト5名

去年3月の記事。ドイツにいるイスラム教徒でフェミニストの女性を5名紹介している。3月27日はムスリム女性の日だそうだ。 5 muslimische Feministinnen in Deutschland - watson ドイツの代表的なムスリムのフェミニスト5名 2018年3月29日 Yasmin Polatの…

記事紹介:「これでおしまい!」と叫ぶシュヴァルツァー

Twitterで3日くらい前に"Alice Schwarzer"がトレンド入りしてたので、何かと思い検索すると、2019年11月26日の記事が見つかった。 オーストリアの大学でアリス・シュヴァルツァーが講演するのに対し、反レイシズムの立場から学生が抗議をしたが、けっきょく…

帰郷記、それから「ドイツでのハラール」後日談

9月末に日本に帰っていた。向こうでも結婚式を挙げる目的もあった。式の準備は主に姉に任せていた。 日本へはNとNの母も連れて3人で行った。 フランクフルト空港から韓国の仁川空港、そして関空まで。空港の中というのはどこも同じような風景だ。搭乗口、…

記事紹介:ドイツでのハラール

移民の記事を読んでいてイスラムに興味をもったことと、モロッコ系の友人に旨いモロッコ•トルコ料理屋に連れられたこと、あと外食店で調理の仕事をしていることもあって、ハラールに興味をもった。なのでそれについていくつか読んでみた。 そのハラル大丈夫…

読書メモ:『カウント•ゼロ』

ウィリアム•ギブスンの『カウント•ゼロ』を読んだ。カッコいいガジェットやアクションと、人間や芸術のあり方への遠大な考察に引き込まれる。昔読んだ前作『ニューロマンサー』より読みやすい。 ニューロマンサーは、よく解らない記述をちょっと読み進めると…

論文紹介:移民増加で犯罪は増えているのか?2

「警察の主な役割は何でしょうか?」先生が教室に問いかける。 「殴る」 「またそれ~?」 ここ1ヶ月ほど統合コースの学校に通っている。教室はいつも和やかだ。ドイツの文化や法律、戦後の歴史などを学ぶ授業で、長期ビザのためにはこれを受けてテストに合…

論文紹介:移民増加で犯罪は増えているのか?

先月の30日、なんともやりきれない事件があった。フランクフルト中央駅で、40歳の男が8歳児押し死亡させたという。犯人がエリトリア国籍だということで難民受け入れの是非の議論もしばらく再燃していた。 ドイツの駅で8歳児押し死亡させた男、精神鑑定へ 外…

ノイシュヴァンシュタイン城のある町

ある町の入り口に老人が腰かけていた。そこに一人の旅人がやって来た。旅人は老人に尋ねた。 「ここの町の人たちはどんな人々ですか」 老人は答えるかわりに尋ねた。 「あんたが前にいた町はどうだったかね?」 旅人はそれに答え、 「いやぁ、良い人ばかりで…

ボーフムの蒸気機関祭

ボーフムという街に行った。ここはルール工業地帯の都市のひとつで、19世紀に炭坑が拓かれ鉄と石炭の街として発展しドイツ産業を支えた。第二次世界大戦で被害の大きかった街だが、今も当時の炭坑が歴史の遺産として残っており、博物館もある。 昔炭坑のひ…

記事紹介:アリス・シュヴァルツァーへの批判│イスラムのスカーフカンファレンス

先週、5月8日にフランクフルトで「イスラムのスカーフ」カンファレンスというのがあったらしい。近所でやってたのに内容まで確認していなかったのだが、どうも当事者からは批判が相次いだそうだ。登壇者にアリス・シュヴァルツァーがいたようなので、さも…

ゼンケンベルクへの道

ドイツ語の練習をサボりがちになっては、Nに尻を叩かれ、また地道に単語を覚え、人と会話をする機会を作るように意識して、という日々が続いている。 Nと外を歩いていると花や鳥の名前が気になってNに尋ねることがよくある。そういうときにNはよく「知らない…

論文紹介:移民相談所の性差別と人種差別

今回は、ソーシャルワーカー(社会福祉士)の移民相談支援についての論文。社会福祉にかかわる分野でもレイシズムやセクシズムは存在する。それについて自身もソーシャルワーカーの学者Tina Füchslbauerがソーシャルワーカーの相談員にインタビューして書いて…

HornbachCM炎上 「これは差別ではない」と言うドイツ人たち

ホームセンターのホルンバッハ社がアジア人女性(どうも日本人らしい)に対する差別的な広告を流した。 白人男性が日曜大工に励み、汗臭そうな服をパンツまで脱ぐ、それをパックしたものが出荷され、日本人女性が自販機で買い匂いを嗅いで恍惚とした表情を浮か…

Xを思い出させる

「なつかしい」という言葉が英語やドイツ語にはないと言っているドイツ人がいた。 nostalgisch(郷愁にかられる)という言葉はあるが、文語的であまり使われない。an ~ erinnern(~を思い出させる)はmeinen verstorben Vater(亡き父)やKindheit(幼少期…

記事紹介:極右と女性の権利│右からのフェミニズム?

今日は、去年2018年の2月12日の南ドイツ新聞。ヨーロッパの右派の「アイデンティタリアン運動」について書かれている。その運動のフェミニズム的な側面に対しての批判だ。それほど踏み込んだ批判ではないが、ざっと右派界隈の流行りがわかる。 MeToo-Debatt…

論文紹介:フェミニズムと反人種差別:「文化的暴力」と連帯の可能性

また移民とフェミニズムに関する論文の紹介。今回は、 Iris MendelとPetra Neuhold(2015)の "Feminismus und Antirassismus –another unhappy marriage? Der Diskurs um »kulturelle Gewalt« und die Möglichkeiten transnationaler feministischer Solidari…

ナショナリズム、移民、フェミニズム [日本語リンク置き場]

今ドイツ語で読んでる話題「非西洋の女性差別をどうやって非人種差別的に扱えるか」や「フェミニズムが排外主義に利用される問題」などに関係する日本語のサイトを見つけたのでリンクを貼っておく。とりあえずこれだけ。また他にもあったら貼る。 Sara R. Fa…

プリン和尚はその昔

沢庵和尚はその昔、大根を干して塩して沢庵漬けを作った。後世、その沢庵漬けをごきげんなレモン和尚がレモンイエローに染めたそうな(諸説あり)。 たくあんはwürzig。たいそうwürzig。塩と大根だけとは思えない。würzigというのはドイツ語で、スパイシーとか…

論文紹介: 移民とジェンダー│ 今フェミニズムは右派なのか(後半)

前回紹介していた論文の続き。 http://ottimomusita.hatenablog.com/entry/2019/02/01/191718 右派はジェンダーを伝統的家族を破壊する脅威であると批判する一方で移民反対論ではフェミニズムを援用する。その際に移民を背景にした女性差別を「文化的暴力」…

論文紹介: 移民とジェンダー│ 今フェミニズムは右派なのか(前半)

また以前紹介していた話題に戻る。主にイスラム系の移民の性差別に対し西欧のフェミニストの一部が批判せず沈黙している。他方で別のフェミニストらは、女性の権利を守るための主張をしながら右派の排外主義と足並みをそろえてしまう、という厄介な問題だ。…

記事紹介:ネオリベ・フェミニズム 統合のパラドックス

もう1つ、リベラリズム・フェミニズム批判の記事。2007年のもの。ニュースとしては古すぎるが書かれている状況は何も変わっていない。 http://www.taz.de/!5194566/ Feminismus-Debatte Paradoxie der Integration Opfer und Ego (6): Der neoliberale …

記事紹介:metoo一年 市場と一致するフェミニズムの危険

Metooから1年ちょっと経った。今回紹介するのはMetoo一周年の記事である。 Ein Jahr #MeToo: Gefahr des marktkonformen Feminismus - SPIEGEL ONLINE http://www.spiegel.de/kultur/gesellschaft/ein-jahr-metoo-gefahr-des-marktkonformen-feminismus-a-1…

必要なダサさについて

ポストには箱に一本足のものと、円筒型のものがある。円筒型のポストは丸型ポストというらしい。丸型ポストは古いものと見なされていて、風情があるとされている。オシャレであると。 昔温泉地に滞在していたとき、この丸型ポストを飾りとして前庭においてい…